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検査とイメージ診断2

泌尿器感染症の画像診断

早野敏郎桑鶴良平三橋紀夫

排尿障害プラクティス Vol.14 No.2, 57-61, 2006

急性腎盂腎炎1) 上行性尿路感染によるものが大部分であるが, まれに血行性感染でも生じる. ほとんどの場合, 尿中の細菌排出で診断される. 大部分は大腸菌によるものである. 女性に多く, また小児では膀胱尿管逆流から発症することが多い. 排泄性尿路造影では軽症の場合には異常所見を認めないことも多いが, 所見としては, ネフログラムで腎の腫大, 辺縁の不鮮明化がみられる. 超音波では, 腎の腫大がみられ病変部がやや低エコーを示すこともある. 単純CTでは, 腎の腫大, 腎周囲腔の脂肪組織に策状の濃度上昇を認める. 造影CTでは早期には病変部分の腎小葉に一致した楔形あるいは扇型の造影効果の低下領域がみられる(図1). また遅延相ではむしろ排泄の遅延に伴う濃度の上昇が認められることもある. MRIにおいても同様に腎臓の腫大がみられる. T1強調画像において腎実質の信号が低くなり, また皮質と髄質の信号強度の差が不明瞭となる. 造影後はCTと同様に腎小葉に一致した低信号領域を認める. 腎周囲の脂肪組織はT1強調画像で策状の低信号がみられる. 急性巣状細菌性腎炎は急性腎盂腎炎の激症型である.

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