[目的]
地方在住高齢者における社会的フレイルと健診受診との関連を検討した。
[方法]
平成25年4月に兵庫県美方郡香美町在住の65歳以上の健常者5,400名を対象に4項目からなる社会的フレイル評価のための自記式質問紙調査を実施し,5,093名から回答を得た。説明変数を近所づきあい・独居・社会参加・経済状況で評価した社会的フレイル状況とし,0点を健常群,1点を社会的プレフレイル群,2~4点を社会的フレイル群と分類した。応答変数は平成24年度の健診受診の有無とし,多変量ロジスティック回帰分析を用いて健診未受診者のオッズ比を算出した。
[結果]
分析対象者3,961名のうち,社会的フレイル状況別の健診未受診者の割合はそれぞれ50.1%(健常),59.8%(プレフレイル),76.2%(フレイル)であった。また,健常群を基準とした健診未受診者調整オッズ比(95%信頼区間)はそれぞれ1.29(1.12-1.50),2.33(1.81-3.01)であった。
[結論]
社会的なフレイルが健診受診を低下させる可能性が示唆された。
「KEY WORDS」社会的フレイル, 健康診断, 健康診査, 受診行動, 高齢者