骨格筋の量的・質的調節にはさまざまな因子が関与するが,インスリン・インスリン様成長因子(insulin like growth factor-1;IGF-1)シグナルと,アミノ酸シグナルは最も重要な制御機構の1つである。インスリン・IGF-1のシグナルは,タンパク合成亢進や分解抑制を直接的に行なっているだけではなく,ミトコンドリア機能やオートファジーの制御を介した抗サルコペニア作用をもっていると考えられている。加齢や糖尿病では,インスリン作用の低下によってサルコペニアやフレイルが進行しやすいと考えられており,また高血糖が筋肉の分解を促進することも明らかになってきている。サルコペニア・フレイルの予防・進行防止のためには,インスリン作用の増強,血糖コントロール,タンパク質の十分な摂取等が重要と考えられる。
「KEY WORDS」タンパク合成, タンパク分解, インスリン作用, mTORC1, FoxO
「KEY WORDS」タンパク合成, タンパク分解, インスリン作用, mTORC1, FoxO