本文へ移動
M-Review

Cancer-Immunological Topics

1 複合免疫療法

第4回 分子標的薬と免疫チェックポイント阻害剤

購入する

販売サイト「MeReBo」へ


掲載誌
がん免疫療法 Cancer Immunotherapy Vol.3 No.1 39-41, 2019
著者名
谷口智憲 / 河上裕
記事体裁
連載 / 抄録
疾患領域
アレルギー・免疫 / 癌
診療科目
腫瘍内科
媒体
がん免疫療法 Cancer Immunotherapy

抗CTLA–4抗体や,抗PD–1抗体に代表される免疫チェックポイント阻害剤は,悪性黒色腫や肺癌など複数の固形がんにおいて承認され,明らかな臨床効果を示すに至った.しかし,単独使用では奏効率10~30%程度であり,奏効率の向上を目指した複合免疫療法の開発が重要と考えられる.
がん細胞に対する免疫応答は,がん種間,患者間で異なり,治療前からがん組織内にT細胞浸潤が認められるinflamed(炎症)型腫瘍と,それが認められないnon–inflamed(非炎症)型腫瘍に大別できる.これまでの研究で,ニボルマブなど,PD–1/PD–L1を標的とした治療は,おもにinflamed型腫瘍の特徴を示すがん種,症例に効果を挙げている.Inflamed型腫瘍では,ある程度は抗腫瘍T細胞応答が起こり,活性化した抗腫瘍T細胞が腫瘍内に浸潤している.しかし,このT細胞が産生するIFN–γなどにより,PD–L1やインドールアミン–2,3–ジオキシゲナーゼ(indoleamine 2,3–dioxygenase:IDO)などのさまざまな免疫抑制分子が,がん細胞や免疫細胞などに発現し,T細胞機能を抑制してしまい,十分な抗腫瘍効果が発揮できていない状態となっている.この段階での,おもな抑制機構がPD–L1の場合にのみ,PD–1/PD–L1を標的とした治療は単独でも効果を発揮できると考えられる.一方,多くの症例ではnon–inflamed型であり,免疫原性の高い抗原の欠如,T細胞の誘導や浸潤の抑制など,さまざまなメカニズムが考えられている.
現在,がん,治療に使われている分子標的薬は,がん細胞の増殖もしくは,血管新生を阻害することを狙って開発されてきたが,抗腫瘍免疫応答にも影響を与えることがわかっており,免疫療法との最適な併用方法をみつけることが重要である.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

掲載誌の紹介

がん免疫療法 Cancer Immunotherapy2019年4月号(Vol.3 No.1)

従来の個々のがん治療の境界を越えた『がん免疫療法』の視点から、皮膚癌/肺癌/頭頸部癌/泌尿器癌(膀胱癌・腎細胞癌) /血液悪性腫瘍/消化器癌/婦人科癌 等、複数の癌腫にまたがる最新の治療に関する情報を提供します。

購入する

販売サイト「MeReBo」へ