HER2陽性乳癌のなかでも,リンパ節転移陽性例の予後は不良とされる。日本乳癌学会『乳癌診療ガイドライン2018年版追補2019』¹⁾においても,「再発リスクの高いHER2陽性浸潤性乳癌に対して術後化学療法を施行する場合,トラスツズマブとペルツズマブを併用することを強く推奨する。〔推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:強,合意率:93%(13/14)〕」と記載されている。

今回,センチネルリンパ節に微小転移を有するHER2陽性乳癌の術後治療にペルツズマブは必要か?というCQに対して,併用すべきであるという立場から,その理由について論じる。


●本企画「誌上ディベート」は,ディベートテーマに対してあえて一方の見地に立った場合の議論です。問題点をクローズアップすることを目的とし,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。また,特定の薬剤の誹謗をするものではありません。


論点整理/南博信

・「すべきである」とする立場から/下井辰徳

「不要である」とする立場から/木澤莉香/尾崎由記範