基礎講座 水電解質のオミックス
第7回 脳脊髄液のオミックス
掲載誌
Fluid Management Renaissance
Vol.5 No.3 68-75,
2015
著者名
石原誠人
記事体裁
抄録
疾患領域
神経疾患
/
脳血管障害
診療科目
脳神経外科
/
神経内科
媒体
Fluid Management Renaissance
「はじめに」脳神経性疾患は,くも膜下出血,脳内出血,脳梗塞など直接生命に影響を与える脳血管障害やパーキンソン病,アルツハイマー病などの神経変性疾患,多発性硬化症などの免疫性神経疾患などからなり,その症状は多岐にわたる。いずれの疾患も発病の予測,正確な病態の診断,予後の判定が病態制御においてきわめて重要であることから,バイオマーカー探索は急務の課題として取り組まれてきた。脳脊髄液(cerebrospinal fluid;CSF)は脈絡叢で産生される無色透明の生体液で,その構成成分は脳内環境の変化を反映すると考えられ,古くからさまざまな脳神経性疾患のバイオマーカー探索における解析対象とされてきた。本稿では,脳神経性疾患におけるCSFを用いたオミックス解析によるバイオマーカー探索に関して近年の研究を紹介しつつ,最新のCSFのオミックス解析の臨床への貢献を解説していく。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。