全文記事
Trend & Topics ペイン・リハビリテーション
運動と脳機能
購入する
販売サイト「MeReBo」へ
- 掲載誌
- Practice of Pain Management Vol.4 No.2 30-34, 2013
- 著者名
- 森岡周 / 大住倫弘 / 信迫悟志 / 平川善之 / 今井亮太 / 大松聡子
- 記事体裁
- 特集 / 全文記事
- 疾患領域
- 神経疾患 / 骨・関節
- 診療科目
- 脳神経外科 / 整形外科 / リハビリテーション科 / 神経内科 / 麻酔科
- 媒体
- Practice of Pain Management
不動による脳の可塑的変化
一般的に慢性痛患者では,身体の知覚経験の変化にともない一次感覚野や一次運動野の体部位再現が変化することが,多くの研究によって明らかにされている.こうした皮質の体部位再現の程度と痛みの強度には相関関係がある.体部位再現の変化には罹患期間,不動,そして不動による体性感覚入力の減少が影響すると考えられている.この神経メカニズムは,痛みによって運動が抑制され,痛みを避けるような行動をとることによって,学習性の不使用(learned nonuse)が生じ,不使用が継続することで患部の体部位再現が狭小化され,その結果,疼痛抑制に関与する皮質機能が低下し,痛みが慢性化されるというものである1).これは,そもそもは脳損傷後の運動障害,すなわち片麻痺の病態を説明するメカニズムであるが,本来脳損傷をきたしていない疼痛患者においても,麻痺ではなく痛みによる身体の不使用によって二次的に脳の機能不全が引き起こされると考えられている.こうした皮質機能不全による疼痛抑制機構の破綻は,痛みの重症度や運動機能に影響を与えることが示唆されている2).また,複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome;CRPS)患者の一次運動野においては,脱抑制が生じていることも示されており3),今日では不動期間が長引くことで脳の機能不全を引き起こすことが周知となっている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。
