「はじめに」2012年12月4~8日に米国サンアントニオにおいて第35回San Antonio Breast Cancer Symposium(SABCS)が開催された. 今回はポジティブな結果を示した大規模臨床試験の発表は少なかったが, そのような中で, 巨大な規模で行われたAdjuvant Tamoxifen:Longer Against Shorter(ATLAS)試験は注目を集めた. ATLAS試験の結果は, 発表と同時にLancet電子版でも報告された1).
「背景」Early Breast Cancer Trialist's Collaborative Group(EBCTCG)のメタ解析の結果, エストロゲン受容体(estrogen receptor:ER)陽性の早期乳癌では, 5年間のタモキシフェン投与によって, 診断後15年にわたって乳癌死亡が減少することが示されている2).