基礎からみた乳腺疾患
乳癌におけるアンドロゲン作用
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- 掲載誌
- CANCER BOARD乳癌 Vol.5 No.1 38-42, 2012
- 著者名
- 高木清司 / 鈴木貴 / 笹野 公伸
- 記事体裁
- 抄録
- 疾患領域
- その他
- 診療科目
- その他
- 媒体
- CANCER BOARD乳癌
「要旨」 多くの乳癌細胞ではエストロゲン受容体(estrogen receptor:ER)だけではなくアンドロゲン受容体(ondrogen receptor:AR)の発現も高頻度に認められ, アンドロゲンが乳癌の生物学的動態に何らかの役割を担っていると考えられる. しかし乳癌に対するアンドロゲン作用の意義は, 同じ性ステロイドホルモンであるエストロゲンと比較して不明な点が多い. そこで本稿では, 乳癌細胞に対するアンドロゲンの供給経路やARの発現意義に焦点を当てて, 乳癌のアンドロゲン作用に関して解説を試みる. 活性型アンドロゲンであるdihydrotestosterone(DHT)の濃度は血中と比較して乳癌組織中で有意に高く, DHTがアンドロゲン合成酵素により乳癌局所で合成されている可能性が従来から示唆されてきた. 一方, エストロゲン合成酵素であるアロマターゼはDHTの基質であるテストテロンをestradiol(E2)に転換するため, DHTの局所合成を低下させるとも考えられてきた. さらにアロマターゼ阻害剤がDHTの局所合成を亢進させることが明らかとなっている. 一般的にはアンドロゲンは乳癌の進展を抑制すると考えられているが, ARと患者の予後との関連は報告によって異なる. また, 乳癌に対してのアンドロゲン作用はエストロゲンによって抑制されるという研究結果が複数報告されており, ARの発現そのものが単純にアンドロゲンの作用がある状況を反映しているわけではなく, エストロゲンと比較してかなり複雑な様相を呈している.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。
