【特集 わが国のNSAIDs起因性消化管傷害】
小腸および大腸病変の発生機序
掲載誌
THE GI FOREFRONT
Vol.10 No.1 20-22,
2014
著者名
酒井英嗣
/
遠藤宏樹
/
中島淳
記事体裁
抄録
疾患領域
消化器
/
アレルギー・免疫
診療科目
一般内科
/
循環器内科
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整形外科
/
リウマチ科
/
消化器内科
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神経内科
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老年科
/
小児科
媒体
THE GI FOREFRONT
近年, NSAIDs起因性の消化管粘膜傷害が上部消化管のみならず下部消化管においても重大な副作用となることが明らかとなってきた. 上部消化管では酸が主な攻撃因子となるのに対し, 下部消化管では腸内細菌や胆汁酸などさまざまな因子が複雑に関与するなど, その発生・進展にかかわる分子機序は異なっている. 本稿では最新の知見を交え, 小腸および大腸粘膜傷害の発生機序に関して概説する. 「はじめに」リウマチ性疾患や変形性関節症など運動器疾患の診療を行う上で, 非ステロイド消炎薬(non-steroidal anti-inflammatory drugs: NSAIDs)は必要不可欠な薬剤である. また, 虚血性心疾患や脳梗塞患者において低用量アスピリン(low-dose aspirin: LDA)による抗血小板療法が, 発作の一時予防および二次予防に有用であることから, LDA服用患者が急激に増加している.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。