【臨床】乾癬と糖尿病

近年，乾癬の皮疹および関節炎に対するTNF-α，IL-17，IL-23を標的とした生物学的製剤の効果により，乾癬の病態がこれら炎症性サイトカインの関与するTh17系免疫反応であることが認識されている．また，乾癬の病態では，肥満や糖尿病，メタボリックシンドロームなどを合併しやすく，心血管イベントの発症リスクを高めて予後に影響を及ぼすことも指摘されている．そのため，乾癬の診療においては，PSD（psoriatic disease）との概念のもと，乾癬の皮疹のみならず，併存疾患にも目を向けた治療が求められている．そこで今回は，乾癬の併存疾患のひとつである糖尿病にスポットを当て，乾癬と糖尿病に関する知見や臨床での治療介入のあり方について，井汲今日子先生に伺った．