【特集 動脈硬化とリン】
特集にあたって
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- 掲載誌
- Nephrology Frontier Vol.12 No.4 11, 2014
- 著者名
- 秋葉 隆
- 記事体裁
- 抄録
- 疾患領域
- 循環器 / 代謝・内分泌 / 腎臓 / 骨・関節
- 診療科目
- 循環器内科 / 整形外科 / 腎臓内科 / 糖尿病・代謝・内分泌科 / 泌尿器科
- 媒体
- Nephrology Frontier
近年, 骨細胞から分泌されるリン排泄因子FGF23とその受容体Klothoの役割が解明された. Klotho遺伝子を欠損するマウスは, 動脈硬化をはじめ老化と同様の表現形となり短命となる. FGF23ノックアウトマウスは, Klothoノックアウトマウスと同様の表現形を示し, 高リン血症, 高カルシウム血症, 高ビタミンD血症となる. FGF23ノックアウトマウスに低リン食を給餌すると. 血清カルシウムやビタミンDレベルはさらに高くなるにも関わらず, 寿命短縮が軽減することから, カルシウムやビタミンDではなくリンが老化の主因であると考えられている. さらに, 哺乳類の寿命と血清リン濃度の関係を調べた検討では, 血清リン濃度が低いほど寿命が長いことが報告されていることもリン濃度と寿命との関係を裏付けている. このように, 健腎者においてリン濃度は生命予後を規定する重要な因子であることが明らかになっている. 腎不全患者ではさらにその機序が増強され, 腎不全の進行に伴うリン濃度の増加に従って生命予後を悪化させる多くの病態が存在するのは想像に難くない. 本特集号では, 徳島大学の宮本先生のグループにリン代謝の制御器官としての骨細胞の役割を解説していただき, 昭和大学の溝口先生からはリンと動脈硬化進行の機序を基礎的な面から, 大阪市立大学の石森先生のグループからは臨床的な面から解説いただいた. 最後に東京慈恵会医科大学の横山先生のグループからリンと心血管障害について解説いただいた. また, 座談会として順天堂大学濱田先生・明陽クリニック鶴田先生・東京慈恵会医科大学横山先生には, クリニカルクエスチョンを設定してリン代謝障害に対する治療法の疑問点について解説いただいた. 複雑な腎臓病に伴うカルシウムリン代謝異常CKD-MBDの病態に対して, リン代謝異常に偏った特集とはなったが, リン代謝に関する知見が急速に集積された今, 読者の知識を整理する時機を得た企画となったものと信じている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。
