画像診断―イメージングアプローチ
腎交差血管イメージングと間歇的側腹部痛
掲載誌
Nephrology Frontier
Vol.11 No.3 56-58,
2012
著者名
山本徳則
/
後藤百万
記事体裁
抄録
疾患領域
腎臓
診療科目
腎臓内科
/
泌尿器科
/
小児科
/
放射線科
媒体
Nephrology Frontier
比較的太い腎血管のイメージングで臨床の問題となる質的異常には, 大きく分けて(1)瘤状を呈する動脈瘤1)2), (2)狭くなる狭窄があげられる. そして, 解剖学的には走行異常があり, 通常腎血管と尿管の関係は横断面の腹側から腎静脈, 腎動脈, そして腎盂尿管, (腎血管)の順に位置する(図1A:正常左腎臓側参照). 臨床の問題となる血管の走行異常には, 腎血管が腎盂尿管の腹側または背側を交差して走行し, その結果, 上部尿路の継続的(水腎症)または間欠的通過障害(間歇性水腎症)生じることである. なかでも, 下極を栄養する副血管の走行異常の頻度が高い. 先天性尿路通過障害の原因で最も多いのが腎盂尿管移行部狭窄症である. 以前は内因性外因性の原因に対して内視鏡的内尿道切開術が行われていたが, 不成功率が約1~3割であった. 交差血管症例の内視鏡的内尿道切開10例中6例が開腹での腎盂形成術あるいは腎摘除術となった報告もある3).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。