2007年のヒトiPS細胞の論文発表から12年が経過した。その間に我々は2013年〜2015年に最初の自家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞(iPSC-RPE)シート移植の臨床研究を行い,2017年〜2019年に2番目のHLA適合他家iPSC-RPE懸濁液移植の臨床研究を行った。日本ではその他にもiPS細胞を用いたパーキンソン病(ドパミン細胞)の医師主導治験,角膜上皮細胞の臨床研究ですでに手術が行われ,心筋シート,神経幹細胞の脊髄移植,血小板の臨床研究開始が了承されている。これほどのスピードで臨床応用が進むのは,お互いに情報を共有し刺激を与え合う環境と法律の仕組みによるところが大きい。これまでの臨床での経験と今後の課題を考える。
「KEY WORDS」網膜色素上皮細胞,iPS細胞,網膜変性疾患
「KEY WORDS」網膜色素上皮細胞,iPS細胞,網膜変性疾患