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山中伸弥先生ノーベル医学・生理学賞受賞を祝して

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掲載誌
再生医療 Vol.12 No.1 10, 2013
著者名
上田実
記事体裁
抄録
疾患領域
再生医療 / その他
診療科目
その他
媒体
再生医療

私は2007年に行われた第7回日本再生医療学会の大会長をさせていただきました. あのころ日本の再生医療は少し中弛みといってよい時期で, 臨床の出口は見えないし基礎的にも大きなトピックスがない, という時期でした. 10月になっても演題が期待したほど集まらず, 参加者も1,000人を切るかもしれないと, 頭の痛い日々が続きました. それが年末のある日, 三大紙の一面に一斉に「iPS細胞の作製に成功」という記事が載り, テレビ, 雑誌はすべて山中先生のニュースに埋め尽くされました. おかげでニュース後の1週間で100を超える演題が集まったのです. まさにiPS特需というべきものでした. また特別講演に山中先生が来て下さったことで, 学会登録数はあっという間に2,000名に近づき, 学会運営で赤字を出さずに済んだのでした. その後のiPSブームは周知の通りです. いろいろのメディアに登場された山中先生が, 「研究はまだ完成していない」「患者さんを治したい」と繰り返されたことが, どれほど研究者や患者さんを勇気づけたことでしょう. 山中先生のノーベル賞受賞で再生医療は新たな段階を迎えました. 1つには国, 政府があらためて再生医療に期待を示したことです. 研究費で厚い予算措置がとられるようになり, 研究者にとっては大きな追い風になりました. 一方臨床医にとっては辛い時代になったといえます. すぐにでも治療をしてほしいという患者さんの声がますます強まるからです. 彼らには時間がないのです. 今回の山中先生の偉業を受けて今我々がなすべきことは, 聞く耳をもった国や政府に現場の声を正確に伝え, 具体的な「規制緩和」を実現することです. スローガンだけの医療イノベーションではなく, 本当に患者さんを治療できる環境を作る千載一遇のチャンスといえるでしょう. また社会に対する影響という意味では, 小さな子どもから中高生に至るまで若い人が再生医療に夢を感じ, 研究志望者が増えたことが一番大きなことかもしれません. 山中先生のおかげでノーベル賞という世界最高の栄誉をかくも身近に感じられたことを感謝申し上げます. 山中先生, あらためておめでとうございました.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

掲載誌の紹介

再生医療2013年2月号(Vol.12 No.1)

・ 様々な領域の学会会員の意見交換の場となるような誌面提供

・ 海外での研究情報を迅速に紹介

・ 再生医療の実用化に向けてベンチャーの果たす役割とは

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【REVIEW 疾患特異的iPS細胞】