iPS細胞研究の最前線―この1年の進歩
Ⅲ.iPS細胞と生命機能(さきがけ課題研究) 任意細胞の樹立法開発
―多因子同時導入技術の開発―
販売サイト「MeReBo」へ
- 掲載誌
- 再生医療 Vol.8 No.3 57-59, 2009
- 著者名
- 引地貴亮 / 升井伸治
- 記事体裁
- 特集 / 全文記事
- 疾患領域
- 再生医療
- 診療科目
- 循環器内科 / 心臓血管外科 / 呼吸器内科 / 脳神経外科 / 産婦人科 / 消化器内科 / 形成外科 / 腎臓内科 / 皮膚科 / 泌尿器科 / 神経内科 / 眼科 / 血液内科 / 耳鼻咽喉科 / 消化器外科
- 媒体
- 再生医療
「はじめに」日々, さまざまな方面から"明日の日本を変えてみせます"といった甘い言葉が聞こえてくるが, 実社会においてそのシステム全体を別のステージへと移行させることは簡単なことではない. たとえ社会に強い影響力をもつ因子があり, その因子1つが変化を示したとしても, 社会のネットワーク全体からのフィードバック効果を受け, 元の状態へと収束してしまうことは珍しいことではないだろう. 大きな変革のためには, 社会のコアネットワークを司るいくつもの因子が同時に変化することが重要となるわけである. 細胞の世界においても同じことがいえ, 単独遺伝子の導入による分化誘導はその効果が限定的であることなどからも, 短期間で劇的な変化を望むのであれば多因子の協調的変化が必要と考えられる1). そこで我々は, 多因子を同時に細胞内へと導入することで任意細胞を効率良く樹立する技術の開発を試みている. 「多因子発現システム」細胞内に多くの遺伝子を同時に導入して発現を促す場合, それぞれの遺伝子を組み込んだウイルスベクターを利用するか, 蛋白質として導入する方法などが考えられるが, 我々は1つの細胞導入ベクターにすべての遺伝子を連結した形で組み込み, 1度に細胞へと導入する手法の開発を試みている(図1).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。
