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M-Review

QUESTION & ANSWER(インフルエンザ)

耐性ウイルスは日本中に拡がっているのでしょうか.

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掲載誌
インフルエンザ Vol.13 No.1 30, 2012
著者名
高下 恵美
記事体裁
抄録
疾患領域
呼吸器 / 感染症
診療科目
一般内科 / 呼吸器内科 / 耳鼻咽喉科 / 老年科 / 小児科
媒体
インフルエンザ

日本国内では2009年9月から国立感染症研究所と全国地方衛生研究所との共同研究により, Pandemic(H1N1)2009ウイルスに関する抗インフルエンザ薬耐性株サーベイランスが実施され, 耐性ウイルスの拡がりを監視しています. 2009/2010シーズンには全国で8,145株の解析株から79株(1.0%)の耐性ウイルスが検出されました. 2010/2011シーズンは3,808株の解析株から78株(2.0%)の耐性ウイルスが検出され, ほとんどが散発例ですがわずかながら増加の傾向が認められています. 検出された耐性ウイルスはすべてNA蛋白に特徴的なH275Y耐性変異をもっており, オセルタミビル(商品名タミフル(R))およびペラミビル(商品名ラピアクタ(R))に対する感受性が低下していましたが, ザナミビル(商品名リレンザ(R))およびラニナミビル(商品名イナビル(R))に対しては感受性を保持していました. 海外では2011年の5月から8月にかけて, 豪州のニュー・サウス・ウェールズ州ハンター地域で184株の解析株から25株(14%)のH275Y耐性Pandemic(H1N1)2009ウイルスが検出されました. 25人の患者のうち16人について薬剤投与歴を確認したところ, いずれも薬剤は未投与でした. また初期の感染例16人のうち15人はニューカッスル市中心部の半径50km圏内に住んでおり, 耐性ウイルスの地域流行が示唆されました. 豪州での耐性ウイルスの地域流行は限定的であり, 他地域への拡大は確認されていません. しかし薬剤未投与の症例からの耐性株の検出は日本国内や米国および英国でも増加傾向にあり, 今後も注意深く監視を続ける必要があります.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

掲載誌の紹介

インフルエンザ2012年1月号(Vol.13 No.1)

「インフルエンザ」に関する情報を必要とするあらゆる領域の一般臨床医,基礎研究者,学生などを読者対象に,ウイルス学の最新の研究成果から,公衆衛生的見地に立った予防対策まで,インフルエンザ領域の情報を継続して提供する。

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