公衆衛生(インフルエンザ)
妊婦におけるインフルエンザワクチンの有用性
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- 掲載誌
- インフルエンザ Vol.11 No.1 69-74, 2010
- 著者名
- 山口晃史 / 久野道 / 荒田 尚子 / 入江聖子 / 勝田 友博 / 村島温子 / 加藤達夫
- 記事体裁
- 連載 / 全文記事
- 疾患領域
- 呼吸器 / 感染症
- 診療科目
- 一般内科 / 呼吸器内科 / 産婦人科 / 耳鼻咽喉科
- 媒体
- インフルエンザ
妊娠中の母体は胎児という一種の外来抗原を寛容するために, 免疫機構に変化が起こり非妊娠時に比べ易感染性となる. さらに, 妊娠初期では悪阻による体力低下, 中期以降は子宮の増大にともなう肺活量の低下, 循環血漿量の増大による心臓への負荷が加わり心肺機能の低下が示唆されている. これらのことより妊婦はインフルエンザに感染しやすく, さらに, 重症化する傾向にあり, 積極的なワクチン接種が世界的に勧められている. 一方, 妊娠中の変化した免疫状態での免疫獲得状況を評価した報告はなく, ここにわれわれの研究結果を提示する. 『1 妊娠中の母体環境』 母体に対し胎児・胎盤は異物であり, これを寛容する機序としてTh2細胞優位の免疫状態が説明されており, これによる相対的な細胞性免疫の低下が妊娠を継続するために重要な因子と考えられてきている1)2). この免疫の変化は個体によって基本となる免疫状態が異なることや, 脱落膜中だけの局所の変化であるのか全身性の変化であるのかという点など, まだ解明されていない部分が多いが, 一般的には妊娠継続中はTh1細胞の関与する免疫系疾患は軽快し, Th2細胞の関与するものでは増悪する可能性が示唆されている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。
