疫学(インフルエンザ)
インフルエンザの世界的広がり(分子疫学)
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- 掲載誌
- インフルエンザ Vol.11 No.1 31-48, 2010
- 著者名
- 杉田繁夫
- 記事体裁
- 連載 / 全文記事
- 疾患領域
- 呼吸器 / 感染症
- 診療科目
- 一般内科 / 呼吸器内科 / 耳鼻咽喉科 / 老年科 / 小児科
- 媒体
- インフルエンザ
分子進化学的にみた新型インフルエンザウイルスの大きな特徴は, すべての遺伝子がブタインフルエンザウイルス由来であるということにある. これは, アジアかぜウイルスとも香港かぜウイルスとも違う新型インフルエンザウイルスの特徴といえる. HA遺伝子の特徴としては, すでに, ヒト型の糖鎖構造を認識しやすいように変異しており, 感染力を増強させる方向に働いている可能性がある. また, 頭頂部に糖鎖構造がない特徴ももつ. そのほかの変異で重要なものは, PB2の627番目はいまだ鳥型であり, ヒト型への変異により, 今後, 毒性を増す恐れがあること, また, PB1-F2蛋白が欠けており, 細菌による二次性感染が少なく, 一次性のウイルス性肺炎が多いという特徴と関係している可能性がある点などがある. また, 体温が高いところでも増えるブタインフルエンザウイルス由来であることが, 重症肺炎を起こしやすいことと関係している可能性がある. 日本での新型インフルエンザの感染拡大は, これから本番になると考えられている. 今後とも遺伝子の変異に注目していく必要がある.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。
