誌上ディベート
再度問い直す「直腸癌に対する側方郭清と術前化学放射線療法の意義」 術前化学放射線療法を推奨するという立場から
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- 掲載誌
- Frontiers in Gastroenterology Vol.19 No.4 17-23, 2014
- 著者名
- 上野雅資
- 記事体裁
- 抄録
- 疾患領域
- 消化器 / 癌
- 診療科目
- 消化器内科 / 腫瘍内科 / 手術・救急 / 放射線科 / 消化器外科
- 媒体
- Frontiers in Gastroenterology
「直腸癌の特性について」直腸は,外科解剖学的には,肛門縁から約12-15 cmまでの範囲とされている。このなかでも,腹膜反転部以下の直腸を下部直腸と呼び,肛門縁からは約8 cmまでの範囲である。今回のテーマとなる治療対象は,この下部直腸に進行癌が存在する症例が対象である。下部直腸の解剖学的な特性の1 つは,腸管の全周囲が,結合組織を介して隣接臓器に近接していることである。直腸を介して,膣や前立腺を触診すると,直腸壁がこれらの臓器と近接していることが実感できる。また,臓器だけではなく,側方から前方には,排尿や性機能をコントロールする骨盤神経叢とそれに連続する神経血管束が近接している。下部直腸のもう1 つの特性は,リンパ流である。結腸や上部直腸では,栄養血管である主幹動脈に沿って中枢に向かうリンパ流が主である。すなわち,上部直腸では,上直腸動脈から下腸間膜動脈根部に向かう上方向リンパ流が本流である。一方,下部直腸では,上方向リンパ流が主流ではあるが,そのほかに,内腸骨動脈へ向かう側方リンパ流など,多方向のリンパ流があることが知られている1)。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。
