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幹細胞研究
第1回 幹細胞研究の現状 幹細胞研究の展開と今後の課題
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- 掲載誌
- Frontiers in Gastroenterology Vol.15 No.4 60-67, 2010
- 著者名
- 松元芳子 / 須田年生
- 記事体裁
- 連載 / 全文記事
- 疾患領域
- 癌 / 再生医療
- 診療科目
- 循環器内科 / 整形外科 / 産婦人科 / 消化器内科 / 神経内科 / 血液内科 / 腫瘍内科
- 媒体
- Frontiers in Gastroenterology
Summary
体性幹細胞は,自己複製能と多分化能(multipotency)をもつ細胞であり,各組織において自己を複製し保存しながら適切に分化した組織細胞を産生することで,組織・臓器を生涯にわたり維持している。幹細胞の存在がマウス造血系において初めて提唱されて以降,筋肉,中枢神経系,腸管上皮,毛包,毛包間表皮,生殖細胞など,数々の組織において幹細胞が同定されている。さらに,多くの体性幹細胞は,ニッチと呼ばれる特別な微小環境に存在することによりその機能が維持されていることが明らかとなってきた。また,正常組織の幹細胞と同様に,腫瘍においても幹細胞が存在することが示され(癌幹細胞,cancer stem cell:CSC),この発見により癌幹細胞をターゲットとした新しい癌治療法開発の可能性が広がり,現在積極的に研究が進められている。
体性幹細胞の分化能が一部の細胞系列に限られていることに対し,1992年には個体を形成するあらゆる細胞に分化しうる能力(pluripotency)を有する胚性幹細胞(embryonic stem cell:ES cell)がマウス受精卵より樹立された。さらに2006年にはマウス線維芽細胞を遺伝子導入によりリプログラミングした人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell:iPS cell)が樹立され,再生医療に向けた基礎・応用研究が加速している。本稿ではこうした幹細胞研究の現状を概説する。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。
