【特集 病態と遺伝子多型】
脂質異常症と脂質蓄積症
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.19 No.1 23-28,
2012
著者名
平野賢一
/
長坂博範
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
腎臓内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
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神経内科
/
老年科
/
小児科
媒体
Surgery Frontier
「Summary」コレステロール, 中性脂肪, リン脂質, 脂肪酸などの脂質は, 生命活動の維持に必須である. その細胞内外における代謝異常は, 周産期, 小児期から壮老年期に至るまでさまざまな病態を引き起こす. たとえば, 悪玉コレステロールである低比重リポ蛋白(LDL)の受容体の遺伝的欠損は, 家族性高コレステロール血症として知られ, 高LDL-コレステロール血症, 黄色腫, 重症の早発性冠動脈硬化を引き起こす. また, 細胞内中性脂肪(TG)分解の必須酵素であるadipose triglyceride lipaseの遺伝的欠損では, 心血管へのTGの蓄積から心臓移植を必要とするような重症心不全をきたす. 本稿では, 血漿中における脂質の量的, 質的な異常(脂質異常症と呼ばれる)と細胞, 組織における脂質の過剰蓄積(脂質蓄積症と呼ぶ)について, 単一遺伝子の異常によって生じる疾患について述べる.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。