ナノテクノロジーの外科領域への応用
Ⅱ.各論 穿孔性腹膜炎に対するナノシートの応用
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- 掲載誌
- Surgery Frontier Vol.17 No.2 37-43, 2010
- 著者名
- 藤枝俊宣 / 木下学 / 齋藤大蔵 / 武岡真司
- 記事体裁
- 特集 / 全文記事
- 疾患領域
- 消化器 / 感染症
- 診療科目
- 手術・救急 / 消化器外科
- 媒体
- Surgery Frontier
ナノテクノロジーにおける近年の急速な進歩は, さまざまな分野の最先端領域で顕著な技術革新をもたらしており, 医学領域も例外ではない. ナノメートル(nanometer)とは1mmの10万分の1という極めて微小な単位で, 細胞膜や細胞外マトリックスの厚さとほぼ同程度であり, 光学顕微鏡での可視限界をはるかに下回る. われわれは, 分子集合科学とナノテクノロジーを駆使することで, 生体適合材料をナノレベルの厚さにまで薄膜化することに成功し, これをナノシートと称している. 創傷被覆材としてナノシートを用いた際, ナノシートと貼付表面にはファンデルワールスカによる強固な物理吸着作用により, 臓器や組織の表面に対して接着剤なしでも強い接着性が発現することを見いだした. しかし一方で, ナノシートを貼った臓器は他臓器とは癒着しなかった. われわれはこの特性を利用し, 癒着を誘起しない臓器損傷修復や皮膚防護などを目的としたナノシート型医療材料を現在開発中である. その研究の一端として, 穿孔性腹膜炎に対するナノシートを用いた閉鎖療法について紹介する.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。
