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M-Review

【特集 ビタミン―作用の多様性―】

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掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY Vol.19 No.3 9-10, 2012
著者名
水沼英樹
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌 / 骨・関節 / 栄養管理
診療科目
産婦人科 / 糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY

それ自体はエネルギー源や生体構成成分とはならないが, 生体内の物質代謝を調節するうえで不可欠な有機化合物からなる微量栄養素を総称してビタミンと呼ぶ. 生命(vital)に必要な, 窒素を含む化合物(amine)に由来する. ビタミンが生命の機能維持にどれだけ重要であるかは, その欠乏により引き起こされる疾患, たとえば結核と並んでわが国の2大国民病の1つとされた脚気, 船乗りに恐れられた壊血病, 乳幼児の骨格異常をきたすくる病などが, それぞれビタミンB1, C, Dの欠乏によって引き起こされることからも明白である. これらの微量栄養素の発見は, 1910年に農学者であった鈴木梅太郎博士が米糠からオリザニンの抽出に成功したことを嚆矢とし, その後A, C, Dなどの発見が相次いだ. ビタミンB1の発見以降, 1948年までに13種類のビタミンの構造が決定されていたが, 2003年にピロロキノリンキノンがおよそ半世紀ぶりに抗酸化作用, 神経保護作用をもつビタミンとして認識されている. 飽食の時代とも呼ばれる昨今, 明らかなビタミン欠乏症もほとんどみられなくなり, ビタミンに関する関心も次第に薄れ栄養学としてのビタミン学はほぼ完結したかにみえる. しかしながら, 生活様式の多様化に伴う偏食者や高齢者の増加に伴い, 特殊なケースにおける病態が, いわゆるビタミン低下症として新たに注目されるようになっている. また, ビタミンは栄養素としてばかりでなく, たとえば水溶性ビタミンのあるものは補酵素として細胞の代謝に関与し, またビタミンAやDなどの脂溶性ビタミンは, 細胞の増殖・分化, 器官の構築に関わること, さらにはその受容体が核内転写因子としてさまざまな遺伝子発現に関与していることが明らかになり, ビタミン研究は新しい局面を迎え, 薬剤として今日的疾患の予防や治療への応用が期待されるようになってきた. 奇しくも一昨年はビタミンB1発見100周年を迎えた. 本企画が古くて新しい有機化合物, ビタミンについての認識を新たに呼び覚まし, 日常の臨床を行ううえで役に立つことを期待している.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

掲載誌の紹介

HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY2012年9月号(Vol.19 No.3)

本誌は,現在,飛躍的な進展をみせている国内外のホルモン研究の最前線と,生殖医学の実践にいかに導入するかを,平易なレビュー形式で紹介。臨床医家が「女性ホルモン」研究にあたって参考となるような情報を網羅し,わかりやすい解説を目ざしている。

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