医療と哲学
第48回 医療の中で語られる患者さんの物語を紡いで―ホスピス緩和ケアの臨床から―
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- 掲載誌
- THE LUNG perspectives Vol.23 No.4 112-114, 2015
- 著者名
- 新堀いづみ
- 記事体裁
- 抄録
- 疾患領域
- 呼吸器 / 癌
- 診療科目
- 呼吸器内科 / 腫瘍内科 / 麻酔科 / 精神科
- 媒体
- THE LUNG perspectives
「ごめんね,メールできなくて お誕生日おめでとう」ある朝,肺がんの患者さん(女性)が,がん性リンパ管症による呼吸困難の急変を起こされた。呼吸困難,不安,恐怖感が増悪し,意識レベル低下が予想された。看護師である私は,患者さんのご家族(夫)に,急変を伝えるための電話を入れた。夫は,電話の向こうで驚きながらも「仕事の前に寄ります」と言われた。夫の到着まで意識を保つことが出来れば,と思いつつ,「お待ちしております。慌てずに落ち着いていらしてください」とお伝えした。通常なら「急変ですからすぐに来てください」と伝える状況である。しかし「慌てず落ち着いて」とお伝えすれば,かなり厳しい状態だということを,夫は察すると考えたからである。これまでケアを通して接してきた夫の様子や,自宅から病院が15分ほどの近距離であったことから,夫はすぐに駆けつけてくると推察された。だからこそ,「慌てず落ち着いて」を言葉として選んだのである。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。
