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M-Review

医療と哲学

第45回 会話における協調原理が破られるとき

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掲載誌
THE LUNG perspectives Vol.22 No.4 91-94, 2014
著者名
杉本なおみ
記事体裁
抄録
疾患領域
呼吸器
診療科目
呼吸器内科
媒体
THE LUNG perspectives

コミュニケーション学は,米国で100年,日本で50年の歴史を有する社会科学の一領域である。医学同様,実験・調査・観察などの手法を用いて実証研究を行い,その知見に基づき「人々が記号のやりとりを通じて『現実』を創り出す過程」に関する理論を構築する。その中の一つに「会話とは基本的に協調的な行為であり,話者はその目的や方向性に沿った発言をする」というポール・グライス(Paul Grice)の「協調の原理」(the cooperative principle)がある。グライスは,この原理に従って会話を進める際に拠となる格率を,カントに倣い「量」「質」「関係」「様態」の4種類に分類した1)。会話の「原理」というと,エチケットやマナーのような「ルール」と思われがちだが,グライスの理論の真の有用性はそこにはない。むしろ「ルール通りに進まない会話」の考察を通じ,会話の本質に迫るための思索の道具と考えるのがふさわしい。そこで本稿では,これらの格率を紹介すると共に,医療現場での会話において協調原理が守られない例を取り上げ,背後に潜む要因とその対策を論じる。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

掲載誌の紹介

THE LUNG perspectives2014年秋号(Vol.22 No.4)

肺は代謝・生理・免疫など機能面においても,疾患の原因・病態・診断・治療など臨床面においても,他に類を見ない多様性を持つ。

本誌は成長・加齢に深く関わる気管支喘息・肺気腫・感染症・呼吸不全・肺癌などの疾患を対象に,分子生物学・生理学・形態学・生化学・免疫学などの広い視野から病因・病態・治療を捉える。最新の知見と,基礎的・古典的知識の双方を踏まえた新鮮で正確な情報を提供。

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