学会賞 受賞演題・論文解説 第107回 日本泌尿器科学会総会
排尿障害:基礎部門 内皮型NOS uncouplingに対する下部尿路生体反応の解明とそれを標的とした下部尿路機能障害の新規予防薬開発にむけた基礎的研究
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- 掲載誌
- 排尿障害プラクティス Vol.27 No.2 79-80, 2019
- 著者名
- 赤井畑 秀則
- 記事体裁
- 連載 / 抄録
- 疾患領域
- 泌尿器
- 診療科目
- 泌尿器科
- 媒体
- 排尿障害プラクティス
下部尿路機能障害の原疾患は,膀胱血流障害や膀胱の炎症など多岐にわたっています。原疾患によってその発症機序は異なりますが,現在は病態を無視した対症療法が行われております。今後,各病態を解明し,それに即した治療を行うことが求められます。われわれはこれまで,動脈硬化による慢性虚血が酸化ストレスを増加させ,膀胱組織障害を引き起こすことが,過活動膀胱(overactive bladder;OAB)の重要な病因であることを証明してきました。しかし,その詳細な発症機序はいまだ明らかとなっておりません。われわれは,慢性虚血による下部尿路機能障害の発症機序を解明すべく,慢性虚血によるOAB発症機序の解明に向け,慢性膀胱虚血(chronic bladder ischemia;CBI)ラットモデルを開発しました。このモデルは,16週齢SD系雄性ラットにバルーンによる総腸骨動脈内皮傷害を施し,高脂肪食で8週間飼育したものです。この処置により総腸骨動脈と膀胱微小血管に動脈硬化性閉塞性変化が起こります。そしてこのモデルは,膀胱の過活動,慢性的な膀胱血流低下,尿中8-OHDG(酸化ストレスマーカー)の増加を示します。
一方,酸化ストレス増加の要因として,血管内皮における内皮型NOS uncouplingが注目されています。内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)の補酵素であるテトラヒドロビオプテリン(BH₄)が不足すると,eNOSによるNO合成が減少し,活性酸素の産生が増加します。この現象が内皮型NOS uncouplingと呼ばれ,その増加した活性酸素は血管内皮を障害し,動脈硬化を促進させます。動脈硬化に起因する慢性虚血が引き起こすOABと内皮型NOS uncouplingの関連性を評価することで,慢性虚血によるOABの発症機序を解明し,新規予防薬を探索できると考えました。今回,CBIラットモデルを用いてBH₄合成経路に着目し,eNOS uncouplingへの下部尿路生体反応の解明と,それに基づく新規治療薬開発に向けた研究を行いました。
一方,酸化ストレス増加の要因として,血管内皮における内皮型NOS uncouplingが注目されています。内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)の補酵素であるテトラヒドロビオプテリン(BH₄)が不足すると,eNOSによるNO合成が減少し,活性酸素の産生が増加します。この現象が内皮型NOS uncouplingと呼ばれ,その増加した活性酸素は血管内皮を障害し,動脈硬化を促進させます。動脈硬化に起因する慢性虚血が引き起こすOABと内皮型NOS uncouplingの関連性を評価することで,慢性虚血によるOABの発症機序を解明し,新規予防薬を探索できると考えました。今回,CBIラットモデルを用いてBH₄合成経路に着目し,eNOS uncouplingへの下部尿路生体反応の解明と,それに基づく新規治療薬開発に向けた研究を行いました。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。
