日本外科代謝栄養学会第47回学術集会を2010年7月8～9日の2日間, 横浜の山下公園の前にある神奈川県民ホールと横浜産貿ホールマリネリアで開催いたしました. 本学会は本誌読者諸賢の多くにとってあまりなじみがないでしょうから, 学会レポートの誌面をお借りして本学会の成り立ちについて触れてみます. 日本外科代謝栄養学会の前身「術後代謝研究会」は1965年(昭和40年)に第1回が開催されました. 戦後の政治的混乱が一段落して世は経済活動に励み, 国内では東海道新幹線開業, 東京オリンピック開催, 国際的にはOECD(経済協力開発機構)に加盟など, 日本が先進国入りのとば口にあった頃のことです. 敗戦後, わが国の外科は熱心な先輩方のご努力で勢いよく立ちあがり, 戦前を上回る業績を上げるようになりました. しかし, 患者さんの術前術後管理には比較的無関心であることが警鐘されていました. 昭和20～30年代には外科代謝栄養学の重要性が喚起される演題が毎年発表されましたが, 日本外科学会にはそれらの重要課題を十分に討論する時間はありませんでした.