2022年は本誌の読者の専門領域に関わる，2つのガイドラインの改訂が発表された。5年ぶりに改訂された日本動脈硬化学会の『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版』と，6年ぶりに改訂された日本肥満学会の『肥満症診療ガイドライン2022』である。 この2つのガイドラインには，いくつかの共通点があると私は考えている。第一に両ガイドラインの対象となる領域が1つの臓器に特化していないことから，比較的幅広い分野の医療者がガイドラインを手にとることである。また，ガイドラインの作成にあたって医師のみならず多職種の医療者が関わっていることも共通している。次に，食事や運動といった日常生活に注意を向けることが管理の基盤になる点である。