「Summary」当院では, 2009年4~12月にかけてオキシコドン注射剤の国内臨床試験に参加し, 計6症例を登録した. オキシコドン注射剤の使用により, すべての症例で試験期間中に疼痛コントロールの達成が得られた. 本稿では, そのなかから経口オキシコドンより切り替えを行った2症例について詳細を報告する. なお, この2症例はいずれも入院症例であり, オキシコドン注射剤の投与経路はいずれも静脈内投与であった.
「症例1」61歳, 男性. 肺がん, リンパ節転移.
「鎮痛目的の先行薬」: オキシコドン徐放錠40mg/日. レスキュードーズとしてモルヒネ速放製剤10mg/回を頓用で使用.
「鎮痛目的の併用薬」: ロキソプロフェン180mg/日を試験期間中も継続.
「オキシコドン注射剤の導入から用量調節(図1)」: 推奨換算に従い, オキシコドン注射剤30mg/日で開始. その後レスキュードーズの用量, 痛みの変化にあわせて37.5mg/日, 45mg/日, 60mg/日と増量.