食物アレルギーによる誘発症状は,臓器ごとに重症度を判定し重症度に基づいた治療を行う。各臓器(皮膚・粘膜,呼吸器,消化器,神経,循環器)症状をグレード1~3に分類し,グレード3およびグレード2の一部に該当する症状が認められた場合がアドレナリン筋肉注射の適応である。症状は経時的に進行するため,誘発症状時は常に状態を評価しながら対応を行う。アドレナリン筋肉注射はアナフィラキシーに対する第1選択薬である。わが国ではα遮断作用を有する抗精神病薬とアドレナリンは添付文書上併用禁忌とされているが,同精神病薬を使用している患者がアナフィラキシーに陥ったときには医師の裁量のもと救命のためにアドレナリンを使用することは許容される。
特集 食物アレルギー診療ガイドライン2016
症状の重症度判定と対症療法
掲載誌
喘息・アレルギー
Vol.30 No.2 53-57,
2017
著者名
伊藤 靖典
記事体裁
抄録
疾患領域
アレルギー・免疫
/
小児疾患
診療科目
小児科
/
アレルギー科
媒体
喘息・アレルギー
Key Words
食物アレルギー,即時型反応,アナフィラキシー,アドレナリン,α遮断薬
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。