糖尿病性腎臓病(diabetic kidney diseases:DKD)の克服はわが国の喫緊の医療課題の1つである。近年,肥満患者の増加,高齢化を背景に2型糖尿病患者が有する腎臓病の病態も多様化し,従来の血糖管理,血圧管理,脂質管理を中心とした集学的治療でも解決できない腎臓病の病態が存在することも示唆されてきている。本稿では,われわれの研究室での知見をもとに,多様化するDKD病態に対する新たな治療標的として,細胞内浄化機構オートファジーに着目して概説する。
「KEY WORDS」DKD,オートファジー,ポドサイト,近位尿細管細胞,老化