文学にみる病いと老い
第71回 「校本 智恵子抄」高村光太郎 著,中村稔 編
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- 掲載誌
- Pharma Medica Vol.30 No.10 146-151, 2012
- 著者名
- 長井 苑子 / 泉 孝英
- 記事体裁
- 抄録
- 疾患領域
- 精神疾患
- 診療科目
- 精神科
- 媒体
- Pharma Medica
精神分裂病(統合失調症)*2, あるいは分裂気質*3は100人に1人くらいはいるといわれている. 同じ病気の中にも幅があるが, 社会的な事件, 芸術的な生涯との関連, などにおいては, たびたび登場する病名である. 私の高校時代の友人の中でも, 統合失調症を10代あるいは30代で発症, 短い人生をおえた二人の思い出は鮮烈である. 女性の友人は, 健康優良児*4であったが, 14歳くらいで発症, 文学*5に耽溺*6し, 高校時代には, 近くにある御所*7の芝生のベンチに腰掛けて, よく私にドイツ文学*8や哲学*9について熱く語っていた. わたしが医師国家試験に合格して医師研修がはじまり忙しくなると, 入退院を繰り返して, 向精神薬*10におぼれるかのように衰弱して39歳で亡くなった. 男性の同級生は, 大学に入り, しばらくは, 難解な哲学や文学評論*11めいた話をしていたが, 大会社に入り, 「わきがと出自*12に悩む青年の苦悩」を小説に書いたりしていたが, 発症, 入院し, その後の行方を知らない.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。
