投稿日時:2026/10/08(木)

Pharmaセミナーレポート

ユプリズナ® gMGプレスセミナー(田辺ファーマ)
抗CD-19モノクローナル抗体製剤「ユプリズナ®点滴静注100mg」(一般名イネビリズマブ(遺伝子組換え)、以下「ユプリズナ®」)の全身型重症筋無力症(generalized Myasthenia Gravis:gMG)[ステロイド剤またはステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る]に対する効能または効果の追加承認(2026年9月16日)を受け、10月6日に田辺ファーマ株式会社主催のプレスセミナーが開催された。

gMG患者のアンメットニーズ解消が期待される新たな治療選択肢への期待

最初に登壇した千葉大学医学部附属病院脳神経内科の鵜沢顕之診療講師は、重症筋無力症(指定難病11)について概説し、2023年の調査では早期速効性治療により治療目標(MM-5mg※)が達成できていたのは50%であり1)、患者の約半数は治療を受けながらも日常生活・QOLに支障のある状態であることなどを紹介した。またユプリズナ®の国際共同第Ⅲ相試験は、ステロイド投与量が5mg/日を超えている場合には試験開始24週までに5mg/日に漸減する、MM-5mgを意識したユニークなプロトコールであり、その中で有効性が検証されたことも紹介された。gMGの治療において、いまだアンメットニーズは残されており、既存薬剤とは異なる作用機序を有し、病態の上流を抑制するユプリズナ®は、新たな治療選択肢として期待できるとまとめた。

※5mg以下の少量ステロイドを使用した治療により軽微症状(minimal manifestation)にとどまる状態

 

患者会が必要とされない社会、患者会の解散が夢

次に登壇した特定非営利活動法人 筋無力症患者会の恒川礼子理事長は、新薬の登場を歓迎しながらも、患者目線での現在のMG診療における課題について触れた。大きな課題の一つは医師・患者間のコミュニケーションであり、MGの症状には日内変動があるなかで、診察時には現れていない症状を短時間で正確に医師に伝えることの難しさを抱えている患者も少なくはない。筋力低下や易疲労性という見た目には分かりづらい症状への社会の理解、地域格差のない医療アクセス、就学・就労へのサポートを求める声を発信し続け、今後もMG患者からの相談には親身に応え、患者会がなくても誰も困らない状況になることが将来の夢であると結んだ。

 

新規作用機序と6ヵ月に1回投与(維持期)による利便性向上が強み

最後に登壇した田辺ファーマの辻村明広社長は、視神経脊髄炎スペクトラム障害の再発予防、IgG4関連疾患の再燃抑制に続くユプリズナ®のgMGへの適応追加について、同社の免疫・希少疾患領域への取り組みを一段前に進める重要な節目だと位置づけ、その取り組みを支える専門体制として10月よりイムノロジー営業本部を新設したと語った。ユプリズナ®については、新規作用機序のMG治療薬であることに加え、初回を2週間隔で投与した後は6ヵ月間隔での投与となることが、既存分子標的薬が複数ある中でも通院負担軽減など患者の利便性向上に資するはずだと期待感をにじませた。

 

引用文献

1)   Uzawa A, et al. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2023; 94(6): 467-473. doi: 10.1136/jnnp-2022-330519.