Cutting Edge

Smart Eye Camera を用いた眼科診療

清水 映輔 先生 慶應義塾大学医学部眼科学教室 特任講師/株式会社OUI(OUI inc.)代表取締役/医療法人 慶眼会 横浜けいあい眼科 和田町院

はじめに

 Smart Eye Camera(SEC)とは、スマートホン(スマホ)に取り付け、眼科診療を可能とする医療機器の総称である。スマホに取り付ける形の眼科診療機器はこれまでに数種類上市されているが、ほぼ全てが外部光源を使用するため大型で、電池交換やメンテナンスコストがかかるため、高価であることが多い。そのため、眼科専門の医療機関であれば、日常使用のために導入可能性はあるが、日本における僻地医療や途上国での医療では使用ハードルが高い。2023年9月現在、わが国においてSECは、一般的名称として「細隙灯顕微鏡」(Smart Eye Camera 眼診察機器 SLM-i07/08/SE2/SE3. 医療機器届出番号13B2X10198030101、13B2X10198030201)と、「直像検眼鏡」(Smart Eye Camera 眼診察機器 Direct Ophthalmoscope. 医療機器届出番号 13B2X10198030401)の2つのモデルが上市されており、それぞれ前眼部と眼底の診察に活用することが可能である1)-4)図1)。



 SEC「細隙灯顕微鏡モデル」は、前眼部(眼瞼、角結膜、前房、虹彩、水晶体、前部硝子体等)の診断に使用するものであり、白内障や急性緑内障発作などの失明疾患の診断や、ドライアイやアレルギー性結膜疾患などの、common diseaseの診断にも用いられる。

 SEC「直像検眼鏡モデル」は、眼底(網膜硝子体、視神経)の観察に用いられるものであり、緑内障や加齢黄斑変性などの視神経疾患や黄斑疾患の観察に有用である。「直像検眼鏡モデル」は無散瞳で直像に眼底観察が可能であるため、眼科の診療現場における前述疾患のスクリーニングや救命救急の現場での、視神経乳頭浮腫の有無など、診療科を超えたさまざまな使用方法が期待できる。

 本稿では、SECの国内外における、臨床的なエビデンスや、その実際の使用方法、今後の展望を解説する。