Cutting Edge

内視鏡画像診断支援ソフトウェアgastroAI™ model-Gの登場と今後の消化器内視鏡診療

多田 智裕 先生 株式会社AIメディカルサービス/ジェイズ胃腸内視鏡・肛門クリニック

はじめに

 医療における人工知能(artificial intelligence:AI)の応用が進み、消化管内視鏡分野で病変の検出や鑑別の補助を行う内視鏡AI の開発が行われていることは、今や医療業界では周知の事実となっている。医療が発達した現代でも消化管がんの死亡者数は世界のがん死亡者数全体の約21%(2022年統計)と報告されており1)、死亡者数のみならず臓器温存性の観点からも早期発見が望ましいとされる。筆者らは消化管がんの見逃しゼロを掲げ、株式会社AI メディカルサービス(以下、AIM社)を立ち上げ、2023年12月に観察者が胃粘膜から発生する上皮性腫瘍(腺腫、粘膜層または粘膜下層にとどまっている早期胃がん)を疑う病変検出することを支援するgastroAI™ model-Gを開発し厚生労働省より承認された。これにより臨床現場における早期がん見逃しの防止、不要な生検の低減、さらには内視鏡医への学習効果などさまざまなメリットが期待されている2)3)

 

gastroAI™ model-Gの登場

 2024年3月にAIM 社から上市された内視鏡画像診断支援ソフトウェアgastroAI™ model- Gは、AIアルゴリズムが搭載された汎用ワークステーションを内視鏡プロセッサに直接接続する構成となっており、内視鏡検査中に胃の病変候補の画像から生検等追加検査を検討すべき病変候補を検出し、病変位置の候補を矩形で示すことで、医師への注意喚起とともに診断に関する参考情報を提示する検出支援の内視鏡AIである。青の矩形で生検等追加検査を検討すべき病変候補の領域を示し、同病変候補の存在が検出された場合は矩形とともにConsider biopsyと表示され、それ以外の場合にはLow Confidenceと表示され、内視鏡施行医の診断支援を行う。上市から約1年が経過し、内視鏡医でも検出が困難であった症例を拾いあげた症例(いわゆる見逃し症例)も報告され、その有用性が示され始めている。数百の医療機関で臨床使用された印象から、今後は内視鏡AIの支援のもとで腫瘍性病変を検出し、拡大画像強調機能の支援のもとで鑑別を行い、最終的に生検・診断を行うことが内視鏡検査のスタンダードになると筆者は感じている。


リアルタイムダブルチェックを可能にしたgastroAI™ model-G2

 gastroAI™ model-G の有用性について前述したが、その一方で解析に2秒間のフリーズが必要なことや最大1病変のみの解析であるといった制限があった。AIM 社は上市後にフリーズ後0.6秒から2秒の間を施設で設定できるよう一部仕様変更を行った。そして内視鏡検査中に画像上早期胃がんおよび腺腫を疑う領域の検出を解析開始から0.15秒以内に結果を表示する、gastroAI™ model-G2を開発した(図1・2)。2024年12月17日付で製造販売承認(承認番号:30600BZX00266000)を取得し、2025年春の販売開始を予定している(図1)。国内の内視鏡医療を牽引する複数の医療施設から提供された病変を教師データとして学習し、その性能評価試験では、gastroAI™ model-G2の病変検出は感度 91.4%、特異度 90.3%であり、AI 使用によって熟練医の感度を向上させる(66.4% →83.5%)結果も示され、今後の前向き試験でも良好な結果が期待されている。第二弾製品では、内視鏡検査中に内視鏡映像の静止を伴う操作を行うことで病変検出支援機能が動作、AIの解析結果がモニターに表示される。そのため内視鏡検査中に内視鏡医師がAI支援のもとでリアルタイムに画像ダブルチェックを行うことが可能になっている。(図1)。現時点では胃のみが対象となっているが、今後食道や食道胃接合部病変検出などの追加機能実装に向けた開発を続けている。

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