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MD Cooperation 筋ジストロフィー診療における職種・施設間の連携

国立病院機構大牟田病院

荒畑創

MD Frontier Vol.1 No.2, 41-44, 2021

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy:DMD)診療において,急性期・有症状期の診療は大切ではある.またそれ以外の時期,つまり慢性期の管理は時に不要不急といわれる.しかしながら,自覚症状が出てくるまで介入を行わないことは,患者の生命予後に影響する.同時に“患者教育”にも悪影響を及ぼす.この“患者教育”には,若い患者本人のみならず保護者も対象として含まれる.長期にわたる進行性疾患であるDMDは病状評価のみならず,リハビリテーション,食物の形態調整,疾患についての学習・理解などについて定期的に見直すことが極めて重要である.これらを疾患の後期になってから初めて身につけることは多くの方にとって困難であり,徐々に習得していくことが患者および医療者,双方のストレスを減らすこととなる.
このような取り組みは,疾患が進んだ際にはなおさら重要性を帯びてくる.緊急時の対応,病状評価,短期レスパイト,訪問診療,訪問看護の計画,福祉サービス導入,疾患の知識について,患者本人と保護者が理解できているからこそ,地域の医療機関やその他の事業体との連携が可能になる.そして近年問題になってきている介護者の健康管理,自宅での高度医療ケア,患者の社会参加といったことが,安全に行うことができるようになるための基礎にもなる.
慢性期におけるこのような取り組みのなかで連携について大きく分けると,①職種間連携,②施設間連携がある.これらを常に見直しつつ,維持することがDMD診療において重要なキーといえる.今回は当院の実例とともに示していきたい.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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