今回,誌上ディベートとして,「腹腔洗浄細胞診陽性膵がんの手術適応」についてhigh volume centerである国内2施設からこれまでの文献報告と自施設データに基づいて各々の主張が展開され,大変興味深く拝読した。膵がん治療においては化学療法などの新規導入によって予後も改善しつつあり,従来の治療方針がさまざまな状況で変更,あるいは再検討されている。腹腔洗浄細胞診(CY)陽性膵がんの手術適応も重要なclinical question(CQ)の1つであるが,いまだに明確な見解は得られていない。