胆道がん・膵がん-診断・治療Q&A-
Q2. 人生会議(ACP)について詳しく教えてください
胆膵Oncology Forum Vol.2 No.1, 33-34, 2021
アドバンス・ケア・プランニング(advance care planning:ACP)とは,意思決定能力を有する個人が自分の価値観を確認し,重篤な疾患の意味や転帰について十分に考え,今後の治療やケアについての目標や意向を明確にし,これらを家族や医療者と話し合うことができるようにすることである1)。ACPにおいては,個人の身体・心理・社会・スピリチュアルな面を通じた気がかりを話し合うことも重要になる。万が一,自分で意思決定ができないときがきても,自身の意向が尊重されるためにはあらかじめ自分の代理人を決定し,意向を記載し,定期的に振り返ることが推奨される1)。
厚生労働省の「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン解説編」では,ACPについて「人生の最終段階の医療・ケアについて,本人が家族等や医療・ケアチームと事前に繰り返し話し合うプロセス」と説明している。国内ではまだACPの認知率は高くないが,「人生会議」という愛称やロゴが作成され,啓発活動が行われている。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。