特集1 臨床応用とその実態
1.画像診断AIの第一線 ~X線画像診断AIを例に~
Journal of Internet of Medical Things Vol.5 No.1, 8-10, 2022
2020年以降,多くの人工知能(AI)がプログラム医療機器として承認を取得し,AIが単なる一時的流行ではなく,実臨床で使われる状況となった.2022年の5月に閣議決定された医療機器基本計画の改定においては,医療AIに関する言及が増え,具体的な数値目標も示されるようになった.さらに,同年6月に発表された骨太の方針においても前年度と比較して医療AIに関する文章は数倍以上に増加している.まさに,医療AIは国を挙げた重要戦略となっており,ますます注目が高まっている分野である.一方,実際に臨床でAIを活用している例は限られていることを考えると,まだブームの域を抜け切っていないともいえる.医療AIが今後大きく展開していくために,この先数年が大きな転換点になると考えている.本稿では,AIによる肺結節影検出支援を目的とした「EIRL Chest Nodule」という製品について紹介し,その有効性について述べる.同時に,AIの技術特性を踏まえ,実際に対応してきたバージョンアップについても示す.本稿では,実際に臨床で使われ,改善し続けているプログラム医療機器を例にして,AIの実態と今後の課題について述べたい.
「KEY WORDS」医療AI,プログラム医療機器,バージョンアップ
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。