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Special Articles

基礎 前立腺癌における骨代謝

神谷直人内海孝信岡了遠藤匠矢野仁鈴木啓悦

ESPOIR Vol.2 No.2, 15-21, 2019

前立腺癌の転移部位は約80%が骨であり,そのほとんどが造骨性病変を示す。骨転移に関連した病的骨折や神経圧迫症状などの骨関連事象(SRE)は,QOLを著しく低下させるだけでなく予後不良因子となる。アンドロゲン除去によるホルモン療法(ADT)は前立腺癌において確立された治療であるものの,破骨細胞の機能活性や骨吸収の活性化に伴う男性骨粗鬆症を加速させ,脆弱性骨折のリスクを高める。また,さらなる去勢が可能となる新規アンドロゲン受容体(AR)標的薬が使用可能となり,SREをより引き起こしやすい骨環境が構築される。そのため,治療経過の長い前立腺癌においては,骨転移の有無に関わらず骨代謝を改善させるbone healthを念頭に置かなければならない。Bone healthの実践として,日々の生活習慣の改善や,骨への選択性が高く強い骨吸収抑制作用を有する抗RANKL抗体やゾレドロン酸などの骨修飾薬を併用することが重要である。
「KEY WORDS」前立腺癌,骨代謝,Bone Health,テストステロン,ホルモン療法

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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