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連載 感染予防の実践!

2.食品工場におけるバイオフィルム産生菌の生存性

森田幸雄

感染制御と予防衛生 Vol.3 No.1, 46-48, 2019

いろいろな物質の表面に付着して,膜状に形成される微生物の共同体をバイオフィルムという1).さらに,培地上に形成するひとつの細菌の増殖(クローン)の集落もバイオフィルムとされる場合もある.キッチンの配管などにみられるぬるぬるした部分もバイオフィルムのひとつである.このようにぬるぬるした膜は,配管表面に付着した細菌が細胞外多糖(Extracellular polysaccharide:EPS)の粘液を分泌してつくり出した膜または層で,このEPSは消毒薬などの攻撃から内部を防御している1)
細菌のバイオフィルム形成にはさまざまな要因が関与している.Limoliら(2015)2)によると,バイオフィルムを形成する要因はPel(pellicle formation Locus:薄皮形成),Psl(polysaccharide synthesis locus:多糖類複合体形成),PIA(polysaccharide intercellular adhesion:多糖類細胞内接着性),Cellulose(セルロース),Alginate(アルギン酸塩),CPS(Capsular Polysaccharide:被膜多糖類),Levan(レバン:微生物によって生産される生体高分子),Colanic acid(コラン酸:微生物によって生産される多糖類),VPS(Vibrio Polysaccharide:エルトール型コレラの変異で増多.塩素消毒耐性などにも関与),Bacillus EPS(Bacillus Exopolymeric substances:バチルス属が細胞外に産生する高分子物質)などである.大腸菌はPsl,Cellulose,CPS,Colanic acidが,サルモネラはColanic acidとCelluloseが主に関与している2)
「KEY WORDS」食品工場,バイオフィルム,サルモネラ,ステンレス製ネジ,ステンレス表面

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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