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特集 近年注目されている感染症

1.ノロウイルス総説

片山和彦

感染制御と予防衛生 Vol.3 No.1, 4-11, 2019

WHOファクトシート“死亡原因トップ10(2018年5月24日版)”によると,年間17億人が下痢症に罹患し,5歳以下の乳幼児76万人が死亡している.下痢性疾患による死亡は,2016年でも年間約140万人の死亡原因となっており,世界全体で第9位,発展途上国では2位にランクされており,きわめて深刻な致死的疾患であることが示唆されている.
下痢性疾患死亡者のうち,半数以上が下痢症ウイルス感染によるものである.わが国に目を移すと,ノロウイルス感染性胃腸炎患者数は,推計年間100~300万人に上り,経済的ダメージは深刻である.国民からの抗ウイルス薬,ワクチンなどに対する要望は高く,行政上も開発優先順位は第4位に位置づけられている.
本稿は,ノロウイルスの基本的な知識から,最新の研究の進展までを概説する.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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