[目的]
急性期脳梗塞患者におけるサルコペニア肥満と急性期病棟退院時の転帰との関連を明らかにする。
[方法]
対象は当科に入院した発症48時間以内の脳梗塞患者で,約2週間後にサルコペニア肥満の評価を行った112例である。サルコペニアはAsian Working Group for Sarcopenia 2019の基準(骨格筋量と握力の低下)に従い,肥満は体脂肪率が男性≧27%,女性≧38%とした。退院時modified Rankin Scale(以下,mRS)スコア≧3(発症前mRS≧3の患者は悪化した場合とする)を転帰不良と定義し,ロジスティック回帰分析にて関連因子を後方視的に検討した。
[結果]
サルコペニア肥満は31例(28%)で,非サルコペニア非肥満患者と比べて転帰不良のリスクが高かった(オッズ比6.4,95%信頼区間1.107-37.118,p=0.038)。
[結論]
サルコペニア肥満は急性脳梗塞患者における退院時の転帰不良と関連していた。
「KEY WORDS」サルコペニア肥満, 急性期脳梗塞, 転帰