原著
地域在住高齢女性における骨粗鬆症と身体・認知・社会的フレイルとの関係
日本サルコペニア・フレイル学会誌 Vol.5 No.1, 96-103, 2021
[目的]
地域在住高齢女性における骨粗鬆症と身体・認知・社会的フレイルとの関係を明らかにする。
[方法]
地域での健康チェックに参加した高齢女性265名を分析対象とした。骨粗鬆症の有無,身体・認知・社会的フレイルを評価し,身体・社会的フレイルに関しては,プレフレイルとフレイルを合わせてプレフレイル以上とした。骨粗鬆症を従属変数とし,身体的プレフレイル以上,認知的フレイル,社会的プレフレイル以上を独立変数としたロジスティック回帰分析を行い,さらに前期・後期高齢女性に分けてオッズ比を算出した。
[結果]
年齢,内服数,教育歴,BMI,関節リウマチの有無,呼吸器疾患の有無で傾向スコアを算出し,傾向スコアで調整したロジスティック回帰分析の結果,後期高齢女性において骨粗鬆症と社会的プレフレイル以上が関連していた(オッズ比3.14,95%CI1.25-7.93,p=0.02)。
[結論]
地域在住後期高齢女性において,社会的フレイルは骨粗鬆症のリスクを高める可能性がある。
「KEY WORDS」骨粗鬆症,社会的フレイル,後期高齢者,女性
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。