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特集2 COVID-19とサルコペニア・フレイル:ウィズ・アフターコロナの時代を見据えて

1.COVID-19による高齢者の健康二次被害:「コロナフレイル」への警鐘

飯島勝矢

日本サルコペニア・フレイル学会誌 Vol.5 No.1, 34-40, 2021

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行において,高齢者における重症化および死亡リスクの高さが注目され報道されてきた。しかし,忘れてはならないのが,高齢者への自粛生活長期化による生活不活発や,人との交流の断絶などを基盤とする健康二次被害,いわゆる「コロナフレイル」である。このコロナ問題は,流行前からもち合わせていた従来の地域課題や社会課題をみえる化したといっても過言ではない。コロナ問題から一年以上が経過した今,ウィズ・アフターコロナ社会を見据え,国民に改めて何を伝え,さらに地域社会での新たな集い方やつながり方にどう反映させるのか,ここが重要な鍵になるだろう。ワクチンや治療薬の確立と同時に,真の人間中心社会に向けて,「われわれの忘れてはならない原点」と「次世代の新しい地域コミュニティ像(新たなデジタル社会含む)」の両方を実現しながら,人と人との心を近付け,絆を感じ,豊かな社会に向けた新たな価値を創造していくことが求められる。
「KEY WORDS」自粛生活の長期化,生活不活発,フレイル化,ニューノーマル,健康・健全な地域社会

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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