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特集1 骨粗鬆症とサルコペニア・フレイル,その異同

2.一般住民における脊椎椎体骨折,サルコペニアと腰痛

橋爪洋吉村典子岡敬之山田宏

日本サルコペニア・フレイル学会誌 Vol.5 No.1, 11-15, 2021

椎体骨折とサルコペニアの性別・年代別指標ならびに腰痛との関連を明らかにするため,和歌山県の地域住民785名(男性239名,女性546名)の横断的解析を行った。MRIにて第1胸椎〜第5腰椎の椎体骨折を半定量法により4段階評価,体組成を生体電気インピーダンス法にて測定し,Asian Working Group for Sarcopenia2019の基準に従い,サルコペニアを診断した。腰痛の有無とoswestry disability index(ODI)も問診した。参加者全体の胸腰椎椎体骨折グレードの和の平均値は男性3.4,女性2.6,サルコペニア有病率は男性6.3%,女性5.3%であり,いずれの指標も加齢とともに増加していた。腰痛有病率は男性38.5%,女性38.5%,ODI%平均値は男性9.1,女性11.2であった。多変量解析の結果,腰痛と椎体骨折はサルコペニアの,サルコペニアと椎体骨折は腰痛特異的ADL障害の有意な関連因子であることが明らかとなった。
「KEY WORDS」脊椎椎体骨折,サルコペニア,腰痛

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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