乳癌は,不均一な腫瘍であり,そのなかでトリプルネガティブ乳癌(triple negative breast cancer:TNBC)はほかのサブタイプに比べて抗原性が高く,乳癌免疫療法の開発はこのTNBCが中心となっている.初期に行われた抗PD-1(programmed cell death-1)/PD-L1(programmed cell death1-ligand1)抗体単剤の奏効率(objective response rate:ORR)は3〜24%程度とその治療効果は限定的であったため,現在では,抗がん剤,分子標的薬,放射線などを併用したコンビネーション治療の開発が進められている(表1).