CAR-T細胞療法では,T細胞をはじめとする強力な免疫細胞の活性化により,サイトカイン放出症候群(cytokine release syndrome:CRS),中枢神経合併症,および低 γ グロブリン血症など特有の合併症をきたすことが明らかとなっている1).わが国では未だCAR-T細胞の臨床投与例が限られていることから,本稿では,海外データ,および,わが国で唯一承認されているCD19CAR-T細胞製剤であるチサゲンレクルユーセルの臨床試験(治験)に関連したデータに基づいて,CAR-T細胞療法の有害事象・対処法について述べる.