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Q&A(がん免疫療法 Cancer Immunotherapy)

イムノスコアについて教えてください

久保輝文鳥越俊彦

がん免疫療法 Cancer Immunotherapy Vol.3 No.1, 34-36, 2019

悪性腫瘍を適切に評価し,治療に対する反応や予後を推定することによって,治療の方向性が決定づけられる.従来,悪性腫瘍はT(腫瘍の大きさ,広がり),N(リンパ節転移の程度),M(遠隔転移の有無)の観点から病期分類がなされてきた.また,TNM分類を補完すべく腫瘍細胞の異型度や遺伝子変異,蛋白異常発現などの因子と予後との関連が検索されてきたが,その有用性は不十分であった.
近年,急速に発展しているがん免疫療法が示すように,ヒトがもつ免疫システムは腫瘍細胞を排除することができる.これは免疫チェックポイント阻害や免疫賦活などによる治療介入によらない状態にあっても生体内で起きている現象と考えられている.これまでにも種々の悪性腫瘍の手術による摘出検体において,CD8⁺T細胞(細胞障害性T細胞)が腫瘍に多く浸潤することが良好な予後と関連すると報告されてきた.これはTNM分類において同じ病期にあっても,症例によってまったく異なる予後を示すことがしばしば経験されることの原因とも考えられる.しかし,わが国の『癌取扱い規約』(金原出版)においてもAJCC/UICCのTNM分類においても腫瘍に対する免疫反応は評価項目には入れられていなかった.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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